調理の専門学校を卒業し、ホテルで様々な経験を積み上げながら、今はオールデイダイニングで仕事をしています。朝食から夕食まで、1日中オープンしているレストランなので、不規則なシフトになることもあります。だからこそ、普段から体調管理には十分気を付けるようにしています。

以前、スタッフの一人が体調を壊し、急遽朝食の勤務を休むことになったことがありました。その日ホテルは満室で、多くのご宿泊のお客様がレストランにお越しになることが分かっていたので、このままのスタッフの人数ではレストランをオープンさせることなんて絶対に不可能な状況でした。どうしよう、どうしようと焦りながら、でも刻々とオープンの時間は近づいてくる。不安というよりも恐怖のような感覚をもちながら、ただただ朝食の準備をするしかなかったそんな時に、シェフが颯爽と調理場に現れたのです。昨日の夜は、ディナー営業で遅くまで仕事をしていたはずなのに、欠員が出たことを知って、早朝からまた出勤してくれました。

シェフは、何でも自分一人で抱え込む必要はない、困った時は助け合うのが仲間だ。ただそれだけ言って、滞っていた朝食の準備をフォローしてくれました。シェフが来てくれたことにより、私はもちろん、サービススタッフも落ち着きを取り戻し、その日の朝食営業は無事に終えることができました。同じ職場で働く仲間を尊重し合い、困った時に助け合える、お互いが関心を持ち合い何でも言い合える、そんなチームだからこそ、私はこの場所で成長したいと強く感じているのかもしれません。